実施細則
審査指南

部  特許協力条約

 

第35章  定義

 

351  定義

この部において次の用語を使用するときは , 文脈が別段の指示をしているときを除き , その 意味を次のとおりとする。

(a)  「条約」 とは ,  1970年6月19 日にワシントンで作成された特許協力条約をいう。

) 「条約規則」とは , 条約と同日にワシントンで作成された条約に基づく規則をいう。それ 以外の「規則」 とは , 本法に基づいて長官が制定する規則をいう。

(C)   「国際出願」 とは , 条約に基づいてされる出願をいう。

(d)  「合衆国を原出願国とする国際出願」 とは , 条約に基づいて行動する受理官庁としての USPTOになされる出願をいい , その国際出願において合衆国が指定国とされているか否か を問わない。

(e) 「合衆国を指定国とする国際出願」とは , 特許を求める国として合衆国を明記している国 際出願をいい , 当該国際出願がなされた場所を問わない。

(f) 「受理官庁」 とは , 条約及び条約規則の定めるところに従い , 国際出願を受領し , 処理す る国内特許庁又は政府間機関をいう。

(g) 「国際調査機関」及び「国際予備審査機関」とは , 条約によって指定された国内特許庁又 は政府間機関であ って , 条約及び条約規則の定めるところに従い , 国際出願を処理するもの をいう。

(h)  「国際事務局」 とは , 条約及び条約規則に基づいて調整団体として承認されている国際 政府間機関をいう。

(i)  この部で定義されていない用語及び表現は , 条約及び条約規則に示されている意味によ って解釈されるものとする。


第36章  国際段階

 

第361条  受理官庁

(a) USPTOは , 合衆国の国民又は居住者が提出する国際出願書類の受理官庁として行動する ものとする。合衆国と他国との協定に従い , USPTOは , 当該他国の居住者又は国民であって , 国際出願をする権原を有する者が提出する国際出願書類の受理官庁としても行動することが できる。

 

(b)USPTOは , 国際手数料の徴収及び当該手数料の国際事務局への送付を含め , 受理官庁に 要求される職責を果たすことに関連するすべての行為を履行するものとする。

 

(C) USPTO への国際出願は , 英語でなされなければならず , 又は英語翻訳文が長官が定める それより遅い期限内に提出されなければならない。

 

(d)  国際手数料並びに第376条(a)に定める送付及び調査手数料は ,  出願をするときに又は長 官が定めるそれより遅い期間内の何れかに納付しなければならない。

 

第362条  国際調査機関及び国際予備審査機関

(a) USPTOは , 国際事務局との間に締結される協定の条件に従って , 国際出願に関する国際 調査機関及び国際予備審査機関として行動することができ , また , 取扱手数料の徴収及び当 該手数料の国際事務局へ の送付を含め , 前記の機関に要求されるすべての職責を果たすこと ができる。

 

(b)  取扱手数料,予備審査手数料及び国際予備審査のための追加手数料は , 長官が定める期 間内に納付されなければならない。

 

第363条  合衆国を指定国とする国際出願:効果

編集者注:合衆国発明法の先出願人規定 特許法第 100条(注))の適用を受ける特許出願に適用 される。他に適用される法律については改正前特許法第363条参照。

合衆国を指定国とする国際出願は , 条約第11条に基づく国際出願の日から , USPT0になされ た正規の国内特許出願の効果を有するものとする。

 

第363条 改正前特許法   合衆国を指定国とする国際出願:効果

編集者注:合衆国発明法の先出願人規定(特許法第100条(注))の適用を受ける特許出願に適用 されない。他に適用される法律については特許法第363条参照。]

合衆国を指定国とする国際出願は , 第102条e)に別段の定めがされている場合を除き , 条約 第11条に基づく国際出願の日から , USPTOになされた正規の国内特許出願の効果を有する ものとする。

 

第364条  国際段階:手続

(a)  国際出願は , 受理官庁,国際調査機関又は国際予備審査機関として行動するUSPTOにより , 条約,条約規則及び本法の該当する規定に従 って処理されるものとする。

 

(b)  出願人による , 国際出願に係る要件について所定期間内での手続の不履行は , 条約及び 条約規則に規定するように免責を受けることができる。

 

第365条  優先権;先の出願に係る出願日の利益

(a)  第119条(a)から(d)までの条件及び要件に従い , 国内出願は , 合衆国以外の少なくとも1国 を指定国とした先の国際出願に基づく優先権を享受する権原を有する。

 

(b)  第119条(a)並びに条約及び条約規則の条件及び要件に従い , 合衆国を指定国とする国際 出願は , 先の外国出願又は合衆国以外の少なくとも1国を指定国とする先の国際出願に基づ く優先権を享受する権原を有する。長官は , 条約及び条約規則に基づいて故意でない遅延優 先権主張を受け入れるため , 並びに条約及び条約規則に定める優先権期間内になされなかっ たが第119条(a)又は条約及び条約規則に基づいて定める追加の2月期間内になされた出願に 係る優先権主張を受け入れるために , 第41条(a)(7)に明記された手数料の納付要件を含め , 手 続を制定することができる。

 

(C)  第120条の条件及び要件に従い , 合衆国を指定国とする国際出願は , 先の国内出願,合衆 国を指定国とする先の国際出願,又は合衆国を指定国とする第381     条a)6)に定める先の国際 意匠出願の出願日の利益を享受する権原を有し , また , 国内出願は , 合衆国を指定国とする 先の国際出願の出願日の利益を享受する権原を有する。先の出願日の利益を求める主張が ,  合衆国を指定国としているが , 合衆国を原出願国としていない先の国際出願,又は合衆国を 指定国としているが , 合衆国を原出願国としていない第381条(a  )に定める先の国際意匠出 願を基にしている場合において , 長官は , 出願が他の言語で提出されていたときは , 出願の 認証謄本を , その英語翻訳文を添えて , USPTOに提出するよう要求することができる。

 

第366条  国際出願の取下

第367条に従うことを条件として , 合衆国を指定国とする国際出願が , 出願人が第371      条C)に よ って定められる適用要件を満たす前に , 条約及び条約規則の条件に基づいて , 全体として 又は合衆国に関して , 取り下げられたか又は取り下げられたとみなされた場合は , 合衆国の 指定は , 第365条(C)に基づく先の出願日の利益を求める主張が当該取下日前に提出された国 内出願又は合衆国を指定国とする国際出願において行われていた又は第386条(C)に基づく先 の出願日の利益を求める主張が当該取下日前に提出された合衆国を指定国とする国際意匠出 願において行われていた場合を除き , その取下日後効力を有さないものとし , また , その指 定は行われなかったものとみなされる。ただし , 当該の取り下げられた国際出願は , その出 願が合衆国以外の国を指定国としていた場合は , 第365条(a)及びb) ,又は第386条(a)若しく は(b)に基づく優先権主張の基礎として使用することができる。

 

第367条  他の当局による処分:再審理

(a)USPTO以外の受理官庁が , 合衆国を指定国とする国際出願に国際出願日を付与すること を拒絶した場合又は当該受理官庁が , 国際出願が全体として若しくは合衆国に関して , 取り下げられたとみなした場合は , 出願人は , 条約及び条約規則に定められる要件及び期間に従 って , 当該事件についての長官による再審理を請求することができる。当該再審理の結果, その出願は , 国内段階に係属している旨の決定を受けることができる。

 

(a)に基づく再審理は , 合衆国を指定国とする国際出願が , 国際事務局による条約第12条 (3)に基づく決定によって取り下げられたものとみなされた場合も , 同じ要件及び条件に従 っ て請求することができる。

 

第368条  一定の発明に関する秘密性;外国における国際出願

(a) USPTOに提出する国際出願は , 第17章の規定の適用を受けるものとする。

(b)  合衆国において行われた発明に関して合衆国以外で行う国際出願は , 合衆国がその出願 において指定されているか否かに拘らず , 条約第27条(8)に従い , 第17章の意味での外国にお ける国際出願を構成するとみなされる。

(C)   外国において出願をすることについての許可が拒絶され , 又は国際出願について秘密を 保持すべ き命令が出され , 許可が拒絶されている場合は , 受理官庁,国際調査機関又は国際 予備審査機関として行動するときのUSPTOは , 当該出願の内容を , その開示を受ける許可を 得ていない者には開示することができない。


第37章  国内段階

 

第371条  国内段階:開始

(a)  合衆国を指定国又は選択国とする国際出願の場合は , 国際出願(クレームの補正があった ときは , その補正を含む)並びに国際調査報告書及び国際予備審査報告書(付属書類があると きは , その付属書類を含む)の写しの国際事務局からの受領を要求することができる。

 

(b) (fに従うことを条件として , 国内段階は , 条約第22条若しくは2)又は第39条(1)(a)に 基づく適用期間の満了をもって開始する。

 

(C)  出願人は , 次のものをUSPTOに提出しなければならない。

⑴  第41条(a)に定めた国内手数料

(2)  国際出願の写し(ただし , (a)に基づく要求を受けていない又は国際事務局から既に伝達さ れている場合を除く)及び国際出願が他の言語で提出されていた場合は , その英語翻訳文

(3)  条約第19条に基づいて国際出願のクレームが補正されていたときは , その補正書(ただし , 当該補正が国際事務局によってUSPTOに伝達されていた場合を除く)及び当該補正書が他の 言語で提出されていた場合は , その英語翻訳文

(4)  発明者(又は , 第11章に基づいて権原を付与されている他の者)による宣誓書又は宣言書で  って , 第115条の要件及び出願人の宣誓又は宣言に関して定められている規則に従 ってい るもの

(5)  国際予備審査報告書の添付書類が他の言語で作成されている場合は , その英語翻訳文

 

(d) C)⑴に記載した国内手数料,(C)(2)に記載した翻訳文及び(C)(4)に記載した宣誓書又は宣 言書に関する要件は , 国内段階の開始日又は長官が定めるそれより後の時期までに満たされ なければならない。(C)(2)に記載した国際出願の写しは , 国内段階の開始日までに提出されな ければならない。当該要件の充足不履行は , 当事者によるその出願の放棄であるとみなされ る。(C)⑴に記載した国内手数料又はC)4)に記載した宣誓書若しくは宣言書に関する要件が 国内段階の開始日までに充足されていない場合は , それらを受理する条件として , 割増金の 納付を要求することができる。(C)(3)の要件は , 国内段階の開始日までに充足されなければな らず , その不履行は , 条約第19条に基づいて行われた , 国際出願のクレームについての補正 の取消とみなされる。(C)(5)の要件は , 長官が定める期間内に満たされなければならず , その 不履行は条約第34条(2)(b)に基づいて行われた補正の取消とみなされる。

 

(e)  国際出願が国内段階に入った後,条約第28条又は第41条に基づく適用期間が満了するま では , 出願人による明示の同意がある場合を除き , それに対して特許を付与すること又は拒 絶することができない。出願人は , 国内段階が開始した後,出願に係る明細書, クレーム及 び図面の補正を提出することができる。

 

(f)  出願人の明示の請求があったときは , 処理についての国内段階は , 出願が処理することが できるように整備され , また , (C)の該当要件が充足されているときは , いつでも開始するこ とができる。


第372条  国内段階:要件及び手続

(a)  合衆国を指定国とした国際出願に関する内容及び , 条約及び条約規則の要件の範囲内で の , 手続に係るすべての疑問点は , USPTOに対して正規に行われた国内出願の場合と同様に 決定される。

 

(b)  合衆国を指定国としているが , 合衆国が原出願国でない国際出願の場合は ,

⑴  長官は , 当該出願の方式及び内容に係る疑問点を条約及び条約規則に従 って再審査させ ることができる。

(2)  長官は , 発明の単一性に係る疑問点を , 条約及び条約規則の要件の範囲内で , 第121条に 基づいて再審査させることができる。また

(3)  長官は , 国際出願又はそれに係る他の書類が英語以外の言語でなされていた場合は , 国 際出願又はそれに係る他の書類の翻訳文について認証を要求することができる。

 

373  廃止]

 

第374条  国際出願の公開

編集者注:合衆国発明法の先出願人規定(特許法第100条(注))の適用を受ける特許出願に適用。 他に適用される法律については改正前特許法第374条参照。]

合衆国を指定国とする国際出願についての , 第351条(a)に定義された条約に基づく公開は , 第154条(d)に規定されている場合を除き , 第122条(b)に基づく公開とみなされる。

 

第374条(改正前特許法)    国際出願の公開

編集者注:合衆国発明法の先出願人規定(特許法第100条(注))の適用を受ける特許出願に適用 されない。他に適用される法律については特許法第374条参照。]

合衆国を指定国とする国際出願についての , 第351条(a)に定義された条約に基づく公開は ,  102(e)及び第154(d)に規定されている場合を除き , 122(b)に基づく公開とみなさ れる。

 

第375条  国際出願に基づいて発行される特許:効力

編集者注:合衆国発明法の先出願人規定 特許法第 100条 注 ))の適用を受ける特許出願に適用。 他に適用される法律については改正前特許法第375条参照。]

(a)  合衆国を指定国とする国際出願に基づいて , 本法の規定に従い , 長官による特許の発行 を受けることができる。当該特許は , 第11章の規定に基づいてなされた国内出願に対して発 行された特許の効力及び効果を有するものとする。

 

(b)  最初に英語によ ってはなされていない , 合衆国を指定国とする国際出願に基づいて付与 された特許の範囲が , 不正確な翻訳のために , 原語による国際出願の範囲を超えているとき は , 管轄権を有する裁判所は , 当該特許が原語による国際出願の範囲を超えている範囲に関 してその強制不能を宣言することにより , 特許範囲を遡及して制限することができる。


第375条 改正前特許法   国際出願に基づいて発行される特許:効果

編集者注:合衆国発明法の先出願人規定 特許法第 100条 注 の適用を受ける特許出願に適用 されない。他に適用される法律については特許法第375条参照。]

(a)  合衆国を指定国とする国際出願に基づいて , 本法の規定に従い , 長官による特許の発行 を受けることができる。第102条(e)に従うことを条件として , 当該特許は , 第11章の規定に 基づいてなされた国内出願に対して発行された特許の効力及び効果を有するものとする。

 

(b)  最初に英語によ ってはなされていない , 合衆国を指定国とする国際出願に基づいて付与 された特許の範囲が , 不正確な翻訳のために , 原語による国際出願の範囲を超えているとき は , 管轄権を有する裁判所は , 当該特許が原語による国際出願の範囲を超えている範囲に関 してその強制不能を宣言することにより , 特許範囲を遡及して制限することができる。

 

第376条  手数料

(a)  金額が条約規則に記載されている国際手数料及び取扱手数料に関する所要の納付は ,  衆国通貨によって行われなければならない。USPTOは , 第41条(a)に定めた国内手数料を課 さなければならず , また , 次の手数料も課すことができる。

⑴  送付手数料(361(d)参照)

(2)  調査手数料(361d)参照)

(3)  追加調査手数料(要求された場合に納付する)

(4)  予備審査手数料及び追加手数料(362(b)参照)

(5)  長官が定めるその他の手数料

 

(b)  (a)に記載した手数料の額は , 国際手数料及び取扱手数料を除き , 長官が定めるものとす る。長官は , 納付済み金額を , それが錯誤による若しくは規定されている手数料を超えてい る場合又は条約及び条約規則に基づいて要求された場合は , 返還することができる。長官は また , 調査手数料,国内手数料,予備審査手数料及び追加手数料の如何なる部分も , 返還が 正当であると決定したときは返還することができる。


第V部  意匠の国際登録に関するハーグ協定

 

第38章 国際意匠出願

 

381 定義

(a)  一般

この部で使用されるときは , 文脈上別段の意味がない限り , 次の用語は次の通りとする。

 「条約」 とは , 1999年7月2 日ジ ュネーブで採択された意匠の国際登録に関するハーグ協 定のジ ュネーブ・アクトをいう。

(2)  「規則」 とは ,

(A)  大文字の場合は , 条約に基づく共通規則をいい ,

(B)  小文字の場合は , 本法に基づき長官が定める規則をいう。

(3)  「指定」「指定している」「指定する」 とは , 国際登録が条約締約国において効力を有することの請求をいう。

(4)  「国際事務局」 とは , 条約及び条約規則に基づき調整団体として認定される国際政府間 組織をいう。

(5)  「実効登録日」 とは , 条約に基づいて国際事務局により決定される国際登録日をいう。 6)  「国際意匠出願」 とは , 国際登録を求める出願をいう。

(7)  「国際登録」 とは , 条約に基づいて提出された意匠の国際登録をいう。

 

(b)  解釈の原則

この部で定義されない用語及び表現は , 条約及び条約規則により示される意味で解釈される。

 

第382条 国際意匠出願の提出

(a)  一般

合衆国の国民であるか , 又は合衆国において住所,常居所又は実際の工業若しくは商業事業 所を有する者は , 長官が定める様式により , 手数料の納付と共に , USPTOに出願書類を提出 することにより , 国際意匠出願をすることができる。

 

(b)  要求される行為

USPTOは , 国際手数料の徴収及びそれの国際事務局への送付を含め , 条約に基づく自己の義 務の履行に関するすべての行為を実行する。第17章に従うことを条件として , 国際意匠出願 は , 送付手数料の納付があったときは , USPTOにより国際事務局へ送付される。

 

(C)   16章の適用可能性

この部において別段の規定がある場合を除き , 第16章の規定が適用される。

 

(d)  他国においてなされた出願

合衆国において作成された意匠に関する国際意匠出願は , 国際意匠出願が次のように提出さ れた場合は , 第17章の意味内での外国へ の出願を構成するとみなされる。

⑴  合衆国以外の国において


(2)  国際事務局において , 又は

(3)  政府間組織に対して

 

第383条  国際意匠出願

第16章による要件に加えて , 国際意匠出願は次のものを含まなければならない。 (1)  条約に基づく国際登録の請求

(2)  指定締約国の表示

(3)  条約及び条約規則に規定されている出願人に関するデータ

(4)  国際意匠出願の主題である意匠の複製又は出願人の選択により幾つかの異なる複製であ って , 条約及び条約規則に規定されている部数及び方法で提示されるもの

(5)  条約及び条約規則に規定されているように , 製品(単数又は複数)であ って意匠を構成する もの , 又は意匠の使用対象となるものの表示

6)  条約及び条約規則に規定されている手数料,及び

(7)  条約規則に規定されているその他の明細

 

第385条  国際意匠出願の効力

合衆国を指定国とする国際意匠出願は , 第384条に従 って決定されるその出願日から , すべ ての目的で , 第16章に従ってUSPTOに提出された特許出願の効力を有する。

 

第386条  優先権

(a)  国内出願

第119条(a)から(d)まで及び第172条の条件及び要件に従って , 国内出願は , 合衆国以外の少 なくとも1国を指定した先の国際意匠出願を基礎とする優先権を享受する権原を有する。

 

(b)  先の外国出願

第119条(a)から(d)まで及び第172条並びに条約及び要約規則の条件及び要件に従って , 合衆 国を指定国とする国際意匠出願は , 先の外国出願,合衆国以外の少なくとも1国を指定した第 351      条C)にいう先の国際出願,又は合衆国以外の少なくとも1国を指定した先の国際意匠出願 を基礎とする優先権を享受する権原を有する。

 

(C)   先の国内出願

第120条の条件及び要件に従って , 合衆国を指定国とする国際意匠出願は , 先の国内出願,合 衆国を指定国とする第351      条C)に定義される先の国際出願又は合衆国を指定国とする先の国 際意匠出願の出願日の利益を享受する権原を有し , また , 国内出願は , 合衆国を指定国とす る先の国際意匠出願の出願日の利益を享受する権原を有する。先の出願日の利益に係る主張 が , 合衆国を指定国とするが原出願国ではない第351      条C)にいう先の国際出願,又は合衆国 を指定国とするが原出願国ではない先の国際意匠出願に基づく場合は , 長官は , 当該出願の 認証謄本を , 英語以外の言語であるときはその英語翻訳文と共に提出するよう要求すること ができる。


第387条  所定の期限に由来する救済

国際意匠出願に係る要件に関して所定の期限内における出願人の行為の懈怠は , 遅延が故意 でないことを長官が納得するように示し , かつ , 第41条(a)(7)に明記する手数料の納付を含め て長官が定める条件に従うことにより , 合衆国に関しては許される。

 

第388条  取り下げられた又は放棄された国際意匠出願

第384条及び第387条に従うことを条件として , 合衆国を指定国とする国際意匠出願が一般に 又は合衆国に関して , 条約及び条約規則の条件の下に , 取り下げられ , 廃棄され若しくは取 り消され , 又は取り下げられた若しくは放棄されたとみなされる場合は , 合衆国の指定は ,  取下,廃棄,取消又は放棄の日後は効力を有せず , かつ , なされなかったとみなされる。た だし , 第386条(C)に基づく先の出願日の利益に係る主張が国内出願若しくは合衆国を指定国 とする国際意匠出願においてなされたか , 又は第365条(C)に基づく利益に係る主張が , 当該 取下,廃棄,取消若しくは放棄の日前に提出された合衆国を指定国とする国際出願において なされていた場合は ,  この限りでない。ただし , 当該取り下げられた , 廃棄された , 取り消 された若しくは放棄された国際意匠出願は , それが合衆国以外の1国を指定していた場合は , 386条(a)及び(b)に基づく , 又は第365条(a)又はb)に基づく優先権主張の基礎とすることが できる。

 

第389条  国際意匠出願の審査

(a)  一般

長官は , 合衆国を指定国とする国際意匠出願に係る審査を本法に従 って行わせる。

 

(b)  16章の適用可能性

合衆国を指定国とする国際意匠出願に関する内容上,及び条約及び条約規則による別段の要 求がある場合を除き , 手続上のすべての問題は , 第16章に基づいて提出された出願の場合の ように決定される。

 

(C)   手数料

長官は , 国際意匠出願の提出,合衆国の指定,及び国際意匠出願に関するその他の処理,サ ービス又は資料に係る手数料を定めることができ , 手数料の遅延納付に対する追加料金を含 め , 手数料の遅延納付について規定することができる。

 

(d)  特許の発行

長官は , 本法の規定に従 って , 合衆国を指定国とする国際意匠出願に基づく特許を発行する ことができる。当該特許は , 第16章に基づいてなされた出願に関して発行される特許の効力 を有する。

 

第390条  国際意匠出願の公開

合衆国を指定国とする国際意匠出願の条約に基づく公開は , 第122条b)に基づく公開とみな される。