交渉における勝負と保守

 チャレンジとチャンスに満ちたこの時代、各企業は自社の生存戦略を模索している。当所のクライアントの場合、彼らの主な生存戦略はイノベーションである。当所の某クライアントは、半導体業界において豊富な経験を持つ会社であるが、絶えずイノベーションを行わなければ、競争の熾烈なこの市場で盤石な地位は得られないことを熟知している。


 この会社は、半導体業界とコンピューティングイノベーションの分野で世界的に有名な某メーカーから、とある重要プロジェクトについて共同開発の誘いを受けた。当該会社にとって、これはまたとない機会であるとともに、大きなチャレンジでもあった。なぜなら、このプロジェクトに深く関わる場合、当該会社は短期間のうちに大量の研究開発業務を遂行せねばならないほか、存在し得る法的リスクについても評価と予防を求められるからであった。研究開発業務については当該会社の専門技術者により実施可能であったが、法的リスクについては関連する範囲が非常に広い。とりわけ、研究開発の過程では何らかの知的財産権の成果が発生し得るが、この知的財産権の成果を提携企業同士でどのように分配し、管理し、使用するか等については、いずれもやや頭の痛い問題であった。そこで、知的財産権の法的リスクの評価及び予防については、専門機関の協力を得て遂行する必要があった。限られた時間で重責を担わねばならないという状況で、当該会社は躊躇なく当所を法務代理機関として選択し、法律面に関わる一連のリスク評価と予防ならびに法的実務及び交渉の実施を求めた。


 まず、クライアント(上記の当該会社)と当該世界的有名メーカーが提携・契約の協議を行う際に、我々は、全過程にわたり当該会社の法務代理機関として当該世界的有名メーカーとの交渉に関わった。この交渉が当該会社にとって非常に重要であり、その後の提携における当該会社の権利と利益、義務を決定付けることは明白だった。そこで、我々は、真剣に計画を立て、全力で臨み、クライアントができるだけ大きな権利と利益を獲得できるよう努力せねばならなかった。交渉の開始に先立ち、当所の弁護士チームは各内容を念入りに準備した。まず、当該世界的有名メーカーの沿革及び長年にわたる経営状况をしっかりと理解・分析した。更に、我々は、提携プロジェクトに関わる大量の市況及び競合相手の情報を調べ上げた。次に、我々は、念入りに交渉戦略を定め、相手方の反論を予測して、情報攻勢により相手方から譲歩を引き出せるようにした。そのほか、我々は、相手方の要求を正確に把握し、故意に弱みを見せることで相手方の妥協を得ようとした。最後に、我々は、十分に準備し、相手方からの反論を予測し得るようにした上で、交渉テクニックを巧みに操ることで、当所が当該会社のために示した提案を相手方が拒絶できないようにした。


 しかし、我々と当該世界的有名メーカーとの交渉が順調に進んでいる最中、突如として予想外の事態が発生した。当該会社の競合相手の一つがこの提携プロジェクトを知り、当該会社と世界的有名メーカーとの提携を阻止しようと企てたのだ。上記の競合相手は、目的を達成しようと、悪意ある誹謗や不正競争等を含む多くの不当な手段をとった。これにより、当該会社の名誉は大きく棄損され、当該世界的有名メーカーが当該会社との提携の意思を覆す恐れも生じた。このような事態は、当所の代理弁護士チームに想定外の困難をもたらした。そこで、我々は、更に大きな努力を払って当該世界的有名メーカーから認められ、上記競合相手の言論や行為に当該世界的有名メーカーが惑わされないようにすることで、クライアントの利益を守る必要があった。


 プロとしての粘り強さによって、我々の弁護士チームは、上記競合相手が講じた各種の妨害に直面しても動揺や妥協を見せることなく、専門技術と法的知識を織り交ぜた勝負を上記の競合相手と密かに繰り広げた。我々は、多方面の情報に基づき、更に念入りな交渉戦略を定めた。そして、法律を武器に競合相手の不正行為を攻めつつ、積極的に世界的有名メーカーの支持を得ようとした。幾度かの熾烈な交渉と論争の末に、当所の弁護士チームはクライアントのために所期の結果を取得した。我々は、クライアントが所望していた相手方違約時の違約賠償金額を獲得しただけでなく、今後の研究開発過程で取得するであろう特許権の公平な配分についても確保した。


 総括すると、我々は、全面的な法的サービスを提供するとともに、クライアントのニーズをしっかりと理解し、適切な交渉戦略を採択することで、優れた法的解決策をクライアントに提供した。当所は、今後も専門性と知恵によって良質な法的サービスをより多くのクライアントに提供し続ける所存である。我々は、知的財産権の保護及び管理において、企業にとって不可欠な重要パートナーになりたいと望んでいる。